覚えてますか? あの瞬間 「Wonder Eggs Collection 4」に収録したものを 一部加筆・修正しました。 私はワンダーエッグのすべてが、愛しくてしかたがないんです。 空気の一粒一粒にエネルギーが満ちているのを感じます。 ドリーマーたちの「おもいっきり遊びたい」と思う力、 アトラクターたちの「一緒に盛り上げて、一緒に楽しみたい」と思う力、 そしてエルズやピラリスたちが生み出した、さまざまな遊びが発している力。 きっと、この3つが合わさって、 最強の「ワンダーエネルギー」に変換されているのでしょうね。 感じる空気、目に入る光、聞こえてくる音楽、なにげない風景… それらをみんな、大切にしまっておきたいな。 浸ってもらえたら嬉しいです。 ドルアーガの塔を眺める。 アトラクターの元気な声と拍手、 塔のまわりでぼんやり光る明かり。 永遠のような時間。 何度もプレイしているのに、またもや無情にもシャドームーンが登場。 「失格だ…! 汝に結婚の資格はない…!」 ああ、また駄目だったか。 「悔い改めよ…」 ミラーナの心理迷宮の「前世の万華鏡」。 コインが払い出される時の、重たい「ちゃりん」という音。 4つ並んだ椅子と、 その前に置かれた、うすぼんやりとした光のランプ。 ドリーマーのいないフューチャーコロシアム。 静かな中響き渡るBGMと、 薄暗いコロシアムで楽しげに光っている、カートのランプ。 ザ・スタアオーディションのパフォーマンスゲート。 左右の蛍光灯が点灯し、急にまぶしくなる。 赤いのと緑のがあって、毛先がすっかり丸くなっている。 陳列されている、ボリュームたっぷりのケーキ。 前方でのろのろしているカートを見つけ、 思いっきり後ろからぶつけた時の快感。 これならデビルが移っただろうと、わくわくしながら判定を待つ。 無情にも再び、くるくると点滅を始める赤いランプ。 マイクから聞こえてくる、ルー大柴のような声。 正しく音階を発声できた時、五線譜の上を踊る音符の光。 直後に感じるのは、心地良い揺れと水の匂い、 そして、しばしの静けさ。 生クリームがたっぷりのチョコレートクレープ。 あったかいというよりはぬるくって、 コーンフレークがさくさくして。 真実の指輪。 白くてリングの部分が割れていて、 上に刻んである絵柄が磨耗している。 黒い大きなカーテン。 待っている間に触れる、そのやわらかさ。 ようやく「合格よ!」と ハニームーンが出てきてくれた時の嬉しさ。 あたりに響き渡る、幸せなメロディー。 ちょっぴりの嬉しさをかみしめつつ、 判定書のプリントアウトを待つ時間。 プラスチック製のフォーク。 両手を前に合わせて涙を流しているカイ。 司令長官の緊急指令を聞き、XDV-7 VAMPIREに乗り込む。 奥行きのあるシートに深々と身をしずめ、 シートベルトをかけたら、上の方にあるインカムを装着する。 「これより通信テストを行う。ANGEL、シートベルトはOKか?」 的が赤から緑に変わって、「ピッ」という音が心地良く響く。 白い小さなピンを抜き差しする感触。 楽しげに応対してくれるアトラクターの笑顔と、 コインを受け取るあたたかい手。 2種類のフレーバーが選べるジェラート。 紅茶、ラムネ、ストロベリーヨーグルト、チョコレート、 グレープフルーツ、抹茶、チーズケーキ…。 コーンを包んでくれる紙ナプキンと、 ジェラートに差さってくる、プラスチック製の透明なスプーン。 またはそれ以上のご挑戦で、 説明はもういらないという方は、手を挙げて下さ〜い!」 機体の上からぶらさがっている「ラブラブめがね」が 風と振動で、ひらひらと揺れている。 コーティングされているけど、 ちょっぴりくたびれた、紙製のめがね。 手に取ってエルズ広場を見下ろすと、光がみんなハート型…。 見事ドラゴン、ドルアーガを倒し、お姫様カイを救い出した、 本日、第18組目のゴールドナイトです!!」 奥で左右に動いている赤いリングをめがけ、 一心不乱に投げるドリーマー。 いくつか後ろに転がり落ちてしまったボールを見つけて 拾って台の中に戻す、通りすがりのドリーマー。 ゴールデンライドに乗り込み、 荷物を足元に置き、ひざのところまで安全バーを下げ、 光線銃の調子をチェックする。 …いまいち光が弱い。 メアリの悲痛な声、苦悶の声…。 ギャラクシアン3。 メビウスクリークの降り口に到着し、 ライドの動きを止める時の「がっこん」という衝撃。 アトラクターが笑顔で手渡してくれる、ひざかけ。 赤や緑のチェック柄で、やわらかくてあったかくて。 鏡の迷路で腰を下ろし、薄暗い中、 わずかな光を頼りに、ラリーブックの該当ページを探す。 程良い空調と、暗い中で流れる映像。 右上方のスピーカーから聞こえてくる、大音量の音声。 他のドリーマーが、カーニバルアーケードで遊んでいるのを眺める。 距離的には近いのに、川があるために離れて感じる。 通りすがりでありながら、通りすがりではないという 不思議な感覚。 ノーマルカートを追いかける。 ひたすら必死で追いかけるけど、 速度が同じで、なかなか追いつけない。 「かこん」という音。 容赦無く、ぐいぐいと進んでいくゴールデンライド。 カウンターで受け取ったら、奥の電子レンジであたためよう。 まずは、袋の先についている金色の針金をはずしてから。 パスポートがするっと吸い込まれる感覚。 ちょっと時間をおいてから出てくる、おみくじ。 …末吉。 …凶より悲しいかもしれない。 ちょっぴりの寂しさ…。 どきどきしながら、カート左のランプを見つめる。 赤くまぶしく、くるくる点滅するランプ。 それを確認すると同時に、気合いを入れて発進。 最後に、後ろに吹き飛ばされる大きな爆風。 ちょっと湿った空気を浴びながらの回転。 傘を手に、すべらないように気をつけながら降りる、 エルズ広場の階段。 黒と赤の椅子が交互に4つ並び、 テーブルの中央では、ルーレットが回っている。 コロコロコロコロ…。 ギャラクシアン3の赤いミサイル。 待機しているアトラクター。 その奥に見えるのは、 スウィーツ・スウィーティーに並ぶドリーマー。 銃を向けたところに映る、小さな赤い光。 昼間でもちょっぴり暗い。 最後の鉄球にぶつかって跳ね飛ばされる時の衝撃。 赤いゾーンに入ったのはいいけれど、 ちょっとスピードが速すぎた。 「止まれ…止まれ…止まれ……ダメだ、通り過ぎちゃった!」 手にかかるのは、 ちょっと回すとはずれてしまいそうな、筒状のランプ。 記念撮影ポイントで浴びる、光の熱さ。 顔なじみのアトラクター。 ラリーブックの該当ページを開いて、アトラクターに見せる。 「おめでとうございま〜す」と言いながら アトラクターが貼ってくれる、マスターシール。 角度によって、青や赤や緑や黄色、 いろんな色に見える不思議なシール。 描かれているのは、まんまるのピラリス。 顔の位置がなかなか合わず、何度も位置を調整する。 ようやく合ったと思ったら、 今度は撮影のカウントダウンが終わらない。 中腰になったために少しばかり痛くなってしまう、 太ももと膝。 ホテル殺人館に並んでいる、たくさんのドリーマーたち。 適度に重い、ギャラクシアン3のブラスター。 ゲーム中の轟音に負けずに響き渡る、ブラスターの連射音。 天井で揺れているローソク。 光の軌跡を残しながらファントムに向かって発射される、 ビリビリ光線。 たくさんのアトラクターたち。 みんな一斉に頭を下げて「おはようございます!」 ちょっと照れながらチケットをゲートに通して 入園するドリーマー。 誰も座っていない、白いテーブルと椅子。 次々にふわふわと浮き上がって、ゴールに入っていく風船。 目の前にくるくるとエンブレムが近づいてきて 輝いた時の、誇らしい気分。 押し出してやると、ゴロゴロと音を立てて進んでゆき、 ぴょんと跳ねて、得点の穴へ。 回転しながら穴へ入っていくのを、わくわくしながら見守る。 扉を閉める音。 エンジンキーを回す感触。 シート越しに伝わってくる、エンジンの振動。 ドリフトキングのブリーフィング。 ミラクルツアーズの「デストラップピンボール」。 最後の大ジャンプを、最後列の席で受けて その大きな衝撃に必死で耐える。 急に静けさが広がって、ちょっぴり寒さを感じて 暗い中を進んでいくと、 目に飛び込んでくるのは、大きなドラゴン。 光る目と、揺れる尻尾。 オルゴール風のゆっくりしたメロディ。 途中でトランペットの勇ましい曲に変わり、 今日もワンダーエッグの一日が始まる。 ボタンを押してしばらく待つと、 扉が開いて、奥から液体が噴きつけてくる。 その液体が、透明のガラスに当たる音。 ハンガーにかかって何着も下げられている、 サイバーステーション2のインフォメーション。 すぐ横には、大きなプロップサイクル。 「OH MY GOD!」 「きゃぁ〜ん!」 「ぶ〜つかっちゃったりなんかしてぇ!」 レーザーガンをたすきがけにする。 上半身が締め付けられる感覚と、 肩に伝わる、レーザーガンの重量感。 ブリーフィングのために、その状態で腰を下ろすと 体の圧迫感は、さらに倍増。 敵を撃墜した時に鳴る「ピッ」という音。 何度もこの音を聞いているうちに、 戦意も自信も、少しずつ高まっていく。 ミラクルツアーズの「爆走トロッコ」。 途中でレールが切れていてトロッコが放り出され、 また別のレールに戻る時の大きな揺れ。 橋の手前から「遊びのたまご」めがけて投げる。 かたい音をたてて、小銭がたまごにぶつかる。 間隔をあけて、たまごの中が何度か強く輝く。 並んで階段を降り、アリーナへ。 少し温度の低い暗闇の中、エナジャイザーへ向かう。 マーシャルのもとでレーザーガンにエナジャイズ。 まぶしく光るエナジャイザーと、響き渡るエナジャイズ音。 「了解。これよりキャノンシード破壊作戦を遂行する。 ドラグーン、キャノンシードに向け、発進」 ワイルドな雰囲気のお姉さん。 深く頭を下げてくれるアシュレット。 スタジオの中からはまぶしい光が漏れてきて、 声優さんの元気な声が響き渡る。 ベンチに座ってそれを楽しんでいるドリーマーたち。 その光と声と視線を感じつつ、彼らの横を通り過ぎる自分。 発進する時にびっくりして大騒ぎするドリーマーたち。 ボクの姿は見えないんだからっ♪」 力をこめて押しても、薄いインク。 ゲームスタート。 生き残れたらまた会いましょう」 上半身に伝わってくる振動。 ピラリススタンプと文字の対応表を見比べながら、 金属のボタンを押して、封印を解く瞬間。 小さなドアを開けると中からもれてくる、キラキラした光。 そして、ひときわ大きなエルズの紋章。 花を積んだワゴンとピラリスの描かれた、 牧歌的な雰囲気のかわいい看板。 稼動中のファイターキャンプ。 上下左右にぐりんぐりん。 夜のエルズの広場の、広い大階段。 カラフルなライト。 おだやかな揺れに身をまかせる。 くるくると流れてゆく風景と、浴びる風の心地良さ。 そして、全てを優しく包み込んでくれるような音楽。 目の前のランク表示を見てみる。 黄色の「A」が確認できると、とりあえずホッとする。 普段はなんてことのない黄色だけど、 ここでは特別な意味を持つ黄色。 銀色のマインドクリスタル。 薄紫色のコスチュームをまとった、アシュレットのお姉さん。 その横のエントランスでドリーマーに声をかけているのは、 茶色のコスチュームをまとった、ダストバスターズ。 「5… 4… 3… 2… 1…。ゲーム終了〜!」 少しずつ減速していく、すべてのカート。 ビリビリ光線を撃つ、大きな音。 同じくらい大きく聞こえる、アトラクターの実況。 耳には入るものの、プレイに夢中で 頭にはあんまり入ってこない。 レーザーガンから聞こえてくる 「ポン」という音。 薄暗い中、手探りで進んでゆく鏡の迷路。 手に触れる鏡の、ひんやりした冷たさ。 カーブがうまく曲がれなくて、壁に衝突しているドリーマー。 カートがだんご状に渋滞している中を、 するりと抜けていくドリーマー。 |